最近「ご自宅のインターネットプロバイダー契約をスマートフォンやタブレットと一緒にすると、プロバイダー料金が実質無料になります」というセールストークをよく耳にします。
地域プロバイダーをやっている身としては危機感を抱くべきなのでしょうけれども、むしろ私は感心しています。
スマートフォンの月々の利用料金は、MMD研究所の調べによると、平均6,000円~7000円とのことですが、現在政府の方針により、キャリア各社は、スマートフォンの料金を下げることを強いられています。
おそらく今後スマートフォンの料金はどんどん下がっていくでしょう。
既に特殊な条件下で月額0円利用できるSIMが誕生しています。
スマートフォン料金月0円もそう遠くない未来なのかもしれません。
そうした厳しい環境の中で生まれたのが今回の、いわゆる抱き合わせ販売といわれる戦略です。
今後急速にスマートフォンの料金が下がっていくと、メーカーもキャリアも多くの損失を被ることとなってしまいます。
そこで、白羽の矢がたったのがプロバイダー料金です。
2014年5月にNTTは光回線サービスの開放を発表しています。
これにより、NTTでなくても、例えば天糸瓜光のように、光通信サービスを提供できるようになりました。
最近は電気やガスにも同様の流れが生まれてきています。
auや、softbankが売電を始めたりして話題を集めています。
この制度を利用して
「プロバイダー料金とスマートフォンの料金をまとめると、プロバイダー料金は無料。スマートフォンの料金も安くなります。(ただし○○年間は料金このままでお願いします。)」
という戦略を始めたのです。
プロバイダー料金を無料にしても、ここ数年で大幅に下落するスマートフォンの料金を現在の価格から少し割引するだけで保てるならば、それで結構という戦略でしょう。
実は、同じようなことが過去にもありました。
パソコンとポータブルWi-Fiの抱き合わせ販売です。
ポータブルWi-Fiを契約するとこのパソコンが100円で買えます!
といった商品で、私自身も電気屋さんで購入した覚えがありますが、2年間の通信費用はその後出てきたポータブルWi-Fi機器の利用料金の相場よりもはるかに高いものでした。
うまいことやられたなぁ~という感じでした。
今回のプロバイダーとスマートフォンの抱き合わせ販売については、どれだけお客様の役に立てるプロバイダーであるかが勝負の分かれ目になるのだろうと考えています。
単純な価格ではなく、地域プロバイダーならではの機動力、地元に根差したサービス展開をしていくことが、これまで以上に求められると強く感じております。
幸い、現在に至るまで、天糸瓜ネットでは今回の抱き合わせ販売の影響を大きく受けてはおりません。
お客様の中には、「ケータイ会社がこんなこと言ってるけど、大丈夫かよ?」という心配の声を頂戴することもありました。
大変ありがたいことでございました。
今後IT市場はスマートフォンを中心として大きく動いていくことと思います。
既存の大手が今回の抱き合わせ販売でどれだけの顧客をつなぎとめられるか。
新たな激安スマートフォンキャリアがどれだけ大手の顧客を奪っていくのか。
そのなかで、天糸瓜ネットはそれぞれのお客様にとって最も快適なインターネットライフを提案し続けていける様、社員一同努力してまいる所存です。
今後ともご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い致します。
馬場法孝 著