1999年に思う

会長 菊池 正光 

 兎年の今年、平成11年を迎えたと思ったら、もう2ヶ月が過ぎようとしております。
月並みな言い方ですが、時の流れは本当に速いものだと思います。
 さて、かつてない不況は今年に入ってからも変わらず庶民の生活を圧迫し、先の見えない不安感は、ますます募るばかりです。財布の紐は堅くならざるを得ません。そんな世の中を反映してかどうかわかりませんが. . . 昨今、毒物を使った殺傷事件や些細なことで喧嘩になり相手を簡単に傷つけてしまうような、今までにはちょっと考えられないような事件が後を絶えません。 本当に残念でなりません. . .

・・・ひと一人の命はなによりも尊いはずです・・・

大変なこの時期だからこそ、私たち人間はどのように生きなければならないのか、一人ひとりが冷静になって考えてみる必要があると思います。
 ところで、障害者の明日を考える会も今年7年目を迎えます。これまでやってこれたのも、皆さんのご協力があったからこそと心から感謝申し上げます。 今、障害者のある人もない人もお互いのアイデン・ティ・ティーを発揮する事が出来るような、個性豊かにユニークな企画を立てて、今を乗り切って行こうと思います。多くの方々のご理解ご協力今年もよろしくお願い申し上げます。

「市長との懇談会」報告


日時 平成10年11月24日
場所 東京電力コミュニティホール
市参加者 会津若松市長
     社会福祉課・武藤課長、山本課長補佐、土沼係長
     保険予防・中村課長
     教育委員会総務課・武藤さん
     都市計画課・石原課長補佐
     公園緑地課・小沢さん
     建築課住宅係・石沢係長(シルバーハウジングプロジェクト)
     秘書公聴課・浅川課長補佐
内容  1.会長挨拶
    2.市長挨拶
    3.自己紹介・近況報告
    4.質問紹介: 平等・ユニバーサルデザインに対する市の見解
    5.横浜ラポール研修等の成果を写真で紹介しながら、懇談

1. 駐車場・・車椅子スペースが不足、屋根付き、生け垣
      「事前の検討があれば対処は可能となると思う」
2. パトライト・・施設を作るさい聴覚障害者の安全確保の配慮
3. トイレ・・使いやすさ、広すぎないか。基準があるのか。
      中央に配置、スノコ。多目的トイレ。鏡、電気。
      神明通りトイレの表示、ペーパーホルダーのアイディア。
      「建築基準があるわけでない、汎用性を持たせる必要から広くなった。
      多様なタイプがあるべきだと思う。」
      「広くなくても複数作るほうが望ましいとしたら・・」
4. 低いカウンター・・市役所窓口、銀行、キャッシュコーナーで不便。
      キャスター付きテーブルが役立つ。
5. 階段点字ブロック・・手軽にマットでも良い。壁紙がグレー。
      音で知らせる(小さな音でよい。)反対色の滑り止め。自動ドアにぶつかる。
6. スポーツ・・共に参加できる種目(アームレスリング・マラソン)。ちょっとした工夫。
      ビームライフルのような動かないスポーツもある。導入をお願いしたい。
      いろいろな障害者がラポールでは普通に楽しんでいる。
      (車椅子バスケット・卓球・電動車椅子サッカー・水泳など)
      「どのようにやるのか、今の施設で取り入れ可能か検討したい」
7. 車椅子洗車場・・拭くのが大変。あったらいい。除雪した雪の片づけ。
8. 足がないテーブル、通り抜けできるエレベーター・・
      新規の施設にあたり、障害者の利便性を検討してほしい。
      「西若松の通路建設にも伝えおく」

      6. 質問事項への回答

1. やさしい町づくり県民会議活動成果
      高齢者の疑似体験・アドバイザーの講演
      10年度事業:鶴ヶ城体育館トイレ・点字ブロック・駐車場 
        (エレベーターは見送り)
      図書館の自動ドア・点字ブロック
2. 障害者計画のその後
      懇談会の成果を踏まえ策定会議を開き、年度内にまとめあげたい。
      通り一遍の作り方はしたくない 皆さんの意見を頂戴して進めたい
3. 入浴用リフトの資料提供
      9万円基準の給付ができる
4. アガッセの利用状況・評価
      50人定員、若松市から31名入所
      デイサービス登録者 24名 ショートステイ登録者 21名
      評価: 家族の面会・外泊がしやすい、プライバシーがある
5. ディケアセンター
      老人保健施設、寝たきりの老人のリハビリ・食事・入浴サービス
      ライフケア鶴賀一カ所、今後も整備支援をしたい。

3団体で開催した講演会

去る、2月7日障害児者親の会、雑草の会、障害者の明日を考える会主催による、飯田史彦先生の「生きがいの創造」講演会が文化福祉センターにおいて行われ、成功を収めました。
 会場にはスタッフを含めて約250人が集まり、充実した3時間が流れました。生きがい論を講演された飯田先生は福島大学経済学部の助教授で、今までに「生きがいの創造」「生きがいのマネジメント」を出版され、この2月24日には「生きがいの本質」が新たに出版されます。人間の意識を変えて、生きる意味を理解してもらうことで、いかに生きる意欲、働く意欲を向上させるかが先生の研究目的だといいます。
 講演では、終盤にさしかかると、鼻をすする音もあちこちで聞こえました。一枚のアンケートには「今後の教育に活かすことで、今の日本の危機を救えるのではないか」という感想が書かれていました。70余枚のアンケートが寄せられ、この様に沢山の方が感動して聴いて下さったようです。
 世間には障害の有無に拘わらず、深く大きな悩みを抱えている人達が大勢います。現状は変わらずとも気持ちの持ち方で、人間はいくらでも元気に、生きがいを持って生きていけるという事を、飯田先生は私たちに教えて下さいました。また、講演を聴きに来れなかったそんな人達にも、この学説を知ってもらえたらと、心から思います。 

ホテルニューパレスで行われた新年会 1月15日

 今年の若松十日市には冬らしくなったものの、雪の少ない暖かい日が続く
成人の日、「若者の元気に続け」と新年会がニューパレスで行われた。
 会長挨拶に続き、干支にちなんで「ウサギの福笑い」・会津地酒の「利き酒大会」と大いに沸いた。お酒にうるさい人ばかりなのに、全問正解は誰もいなくて残念でした。  次回期待してますよ。

 改装したニューパレス正面にはスロープ、
 ロピー奥には障害者用トイレが設置されています。               

幹事さんご苦労様でした。

写真と私

須賀川市  高畑 力彦

 私は、全盲だが趣味で写真を撮っている。そういうと、ほとんどの人が「えっ!・・・」
「見えないのに!・・・」と奇異に思うようである。 私は写真を撮り始めて、通算で20年近くなるが、たしかに初めのころは盲人、それも弱視ならいざしらず、全盲で写真を撮ってるのは全国でも数えるくらいだったのではないだろうか。しかし現在では盲人(弱視も含め)で写真を撮ってる人は全国的にはかなりいいるし、その上14〜5年前からは全国レベルでの盲人写真展も毎年開かれているばかりか、健常者、障害者をとわない写真クラブもある。だから今は盲人がカメラを片手に写真を撮り歩くということはめずらしくなくなってきたのです。
 そういっても人口的にはまだまだ少なく、私が知るかぎりでは西日本に多く、北海道はわからないが、東北地方では余り聞かない(自分が知らないだけかもしれない・・・)。
 私が写真を撮り始めた動機をよく聞かれるが、特に理由があったわけではない。しかししいてあげれば・・・
 第1に、私の家族は全盲の妻と高校1年の男児と小学4年生の次男の4人家族である。長男が生まれた頃は今のような、ホームビデオなどまだそんなに普及しておらず、ほとんどの家庭では家族や我子の成長記録写真が主流であった。そのため全盲の家庭だからといって我子の写真が1枚もないのではと思い撮るようになったこと。 第2に、10年ぐらい前までは若干の視力があり、大きい物や色の識別ができたため写真を見ることができたのとカメラの操作が嫌いではなかったこと。 第3に、10数年前よりA.F.(オートフォーカス)カメラが普及しはじめピント合わせが容易になったこと。 それに第4として、盲人写真展にこれまで数多く入選させてもらったことだろうか。
 私はこれまで、いろいろな分野の写真を撮ってきた。人物・花・風景・祭・花火・・・、
本県で身体障害者スポーツ大会が開かれた時には2日通ってスポーツ写真を撮ったこともある。しかし私のように全盲にはどうしても限界がある。それはいくらオートフォーカスが発達したといっても、すばやく動く物や風景などカメラアングルをどこに置いたらいいかわからないのは苦手である。だから現在は音のするようなものや手で触れられるような物が中心になっている。そのため撮影に出かける時は、とりあえず、前もって構図を決め現地で状況を把握しながらケースケースで撮って行くのと、同じ物を健常者より数多く撮るということである。
 それは数多く撮っておけば1枚くらいいい物ができるのではという考えである。(全部だめなことが多いのだが・・・)
 今、私は、ふたつの悩みをかかえている。その1つは撮影した物を自分で確認できないことである。現在はあがりを行きつけの写真屋さんやまわりにいる人に見てもらい、できの良し悪しを判断してもらっているが、第三者を通せば自分の感性と違った物になってしまうこともあるからである。
 2つ目は、撮影に出かけるときは、長男にサポートしてもらっているが、だんだん友人との付き合いも多くなり、なかなか丁度しなくなってきているため、サポートをしてくれる人をさがしているのだがなかなか見つかりません。これを機にお願いできるような人がいれば、ぜひよろしくお願いします。
最後に、今後の目標としては、1つのテーマにそって撮っていくということと、 やはり自分の写真展を開くことだろうか。いったい、いつ実現するか自分でもわからないのだが・・・。

短 歌 その1

鈴木 やす子     

  何をして雪に遊ぶか手袋の
        氷したたるを子は持ち帰る

  おかえりと声かけるまで玄関に
        子はくりかえしただいまをいう

  筆をとる子はいつになく真剣に
       「文化交流」の文字かきあげる

短 歌 その2

菊池 正光       

  みぎひだり声をたよりにすべり行く
        あなたまかせのブラインドスキー

  共の手に引かれて登る磐梯の
        岩をふみつつ盲人
(めいし)のわれも

  しんしんと音なき音の雪の庭
        耐えて明日を待つ蕗のとう想う

関連リンク

手話単語辞典 http://www.ksc.ac.jp/syuwa/jiten.htm

SPORTS 'N SPOKES http://www.pva.org/sns/

日本障害者芸術文化協会 http://www2.gol.com/users/wonder


編集後記

今年の冬は、春のように暖かい日もあれば、底冷えの寒い日と交互にやってきて、寒暖の差の激しさに風邪をひいたり体調を崩したという人も多く聞かれますが、皆さんはいかがでしょうか。
 表紙のうざぎは新年会に出席された人なら、ご存じの「福笑いウサギ」を使ってみました。玉川さん自作のウサギ、愛嬌のある顔が印象的でした。
 今回は、市長との懇談会、ホテルニューパレスで新年会、3団体による講演会と、会の活動大忙しでした。皆さんご苦労様でした。次の行事は3月のボーリングです、大いにストレス発散して下さい。
 では、次回の会報お楽しみに。

編集委員 渡部・熊田・吉田・竹内・小沼

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