子供が生まれ、姓名判断というものをいっとき調べてみたことがあった。結論から言って、「二度と見まい」と心に誓った。それは、姓名判断というなんとも非科学的な考え方が合わなかったというわけではなく(むしろそういう世界はとても大好きだ)私の「馬場」という名字にある。曰く、馬場という名字の人間は総じて怠け者である。というのだ。どんな言われようだ。二度と見るか。と思った。
そこで「怠け者」を自分のビジネス領域である「コンピュータ」の世界で一生懸命正当化してみようと考えた。
確かに怠け者という言葉の響きは強烈で、仕事をするビジネスマンとしての素質は限りなくゼロに近いように思える。
しかし、コンピュータの世界では、これはとても重要な能力ではなかろうかとも思う。コンピュータなんてものは、人間が楽するために誕生し、存在しているものなのだ。コンピュータに限らず、あらゆるテクノロジーは人間が楽をする為、言い換えれば怠けるためにあると言って差し支えないのではないか。
そういう意味では、馬場という名字は使いようによっては、素晴らしいエンジニアになるのではないかと思い、日本人が開発したOSトロンに因んで斗論という名前を子供の名前に提案してみたが、怠け者の名字を冠した一族郎党から総スカンを食らった。彼らはもうちょっと姓名判断の本を読むべきだ。