前回に引き続き、ラインというコミュニケーションツールについてお話ししていきたいと思います。
私には、ここ数年で急激に親しくなった友人がいます。
知り合って間も無いのですが、妙に気が合って、今では週に一度は顔を会わせる、最も親しくしている友人の一人です。
先日、その友人にメールしようとした時、あることに気がつきました。
私は、彼のメールアドレスはおろか、電話番号さえ知らなかったのです。
LINEのIDを交換して、顔をつき合わせて話をする以外のコミュニケーションはすべてLINEを介して行ってきました。
数年もの間です。
思い返せば、ビジネス以外で、誰かにメールを出すという事も、そもそも、個人的なメールボックスの中身をチェックする事すらしていなかった事に気がつき、とても驚きました。
この事実は、ここ数年ずっと問題視されていた、ネットワーク上のある大きな問題を解決する事に繋がると感じました。
それは、スパムメールです。
少し前に、インターネット上を飛び交う情報の9割がスパムメールであるという記事を読んだことがあります。
もしも、今後ラインのようなコミュニケーションツールがビジネスでのコミュニケーションを含むあらゆるコミュニケーションを担うものとなったとしたら、メールと言うサービスが必要なくなる日もそう遠くないような気がしています。
「LINEでも、スパムが来るよ」と言われそうですが、LINEのスパムの割合って、メールに比べてはるかに数が少ないですよね。
そして、スパムラインをブロックすることも容易です。
極め付けは、ラインのIDを変えて複雑なものにしてしまえば、スパムラインの届く可能性はさらに低下します。
しかも、メールのように、メールアドレスを変更した事実を友人に一斉送信する必要なく、これまで通りにコミュニケーションをとることができます。おそらくほとんどの友人がIDを変えたことにすら気づかないでしょう。
もっと簡単に、スパム対策をする方法として、ID検索を不許可にしてしまえば、現状ラインの利用者データベースをハッキングでもしない限り、スパム業者がラインを送ることはできません。
この現実をLINEが予期していたかどうかは疑問ではありますが、少なくとも、スパム業者から見て、フィッシングや、詐欺広告を行うことがここ数年で一足飛びに困難なものになったのは間違いありません。
インターネットが爆発的に広まっていく過程で産まれた、影や闇の部分が、今後様々な技術の発展により、意図するしないに拠らず、取り去られていくことを願い、我々もまた、その一助となるべく、今後とも精進してまいりたいと思います。
馬場法孝